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相続と債務 2012/05/05
 

相続と債務

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[相談]

 会社を経営していた夫が急逝しました。夫は銀行からの借入があるだけでな
く、会社が事業のためにした借入の保証人にもなっていました。夫の責任は私
が負わなければならないのでしょうか。
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[回答]

 借金や保証人の責任といった債務も、原則として法定相続分に従って相続さ
れます。

 遺産相続という言葉をよく耳にするかと思います。この遺産には、不動産や
預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金や保証債務のようなマイナスの財
産も含まれるのです。身元保証や根保証といった責任の範囲が過大になる可能
性があるような性質のものは例外的に相続されないと考えられていますが、ご
相談のような単なる借入や保証人としての責任は、相続人に当然に承継されて
しまいます。

 中小企業の経営者は、事業のために銀行から融資を受けるにあたって個人保
証を求められることが多いので、特に注意が必要です。事業とは無関係の相続
人にも保証債務だけが引き継がれる可能性があります。後継者が決まったなら、
経営権を引き継がせるだけでなく、金融機関と交渉して保証人も変更してもら
うなどの対策を考えておく必要があります。

 また、実際に相続が開始した結果、借金が多過ぎて相続人には負担しかない
ような場合でも、相続放棄や限定承認をすれば債務の負担を回避することがで
きます。相続放棄は、亡くなった人のプラスの財産もマイナスの財産も一切引
き継がないというものです。限定承認は、亡くなった人のプラスの財産の範囲
内で借金等を返済し、プラスの財産が残ればこれを相続し、債務が残れば引き
継がないというものです。ただし、これらの制度を利用するには、相続が開始
したときから、原則として3カ月以内に家庭裁判所で手続をしなければなりま
せん。何もせずに期間が経過した場合や、相続財産の一部を取得してしまった
場合には、相続放棄や限定承認はできなくなります。

 このように、債務の相続は、その意味を知らないままでいると取り返しがつ
かない事態も起こります。相続開始後に債務があるとわかったときにどうすべ
きかについても、一刻を争う場合があります。少しでも不安があればすぐに弁
護士等の専門家に相談されることをおすすめします。

 


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