小売業のM&A動向 2012/05/04
 

 日本の小売業界は、リーマンショックによる影響やデフレによる消費意欲減少により、多くの企業で売上を落としていました。今回はコンビニ業界、スーパー業界において、各社の動向を見ていきます。

1.コンビニ業界
 2011年のコンビニ業界のM&Aの件数は、2010年と同じく7件でした。これまでコンビニエンス事業を展開する企業が当事者となったM&Aは、1985年以降2011年までで119件となっています。また市場規模は、2000年以降は2%程度の成長にとどまり、1990年代前半に見られた二桁成長からは大きく減少し、飽和状態となっています。こうした中、各社とも人口減少や高齢化など、市場の変化に沿った戦略を模索する動きが出ています。主な会社の動きは次の通りです。

 セブン&アイは米国のWFIグループの買収や、米国のエクソンモービルから51か所の店舗などを譲り受けて、海外(特に北米)強化による店舗網拡大・収益力向上を狙っています。
 一方ローソンは、音楽や映像ソフトの販売を手掛けるHMVジャパンの買収したほか、オリコンへの資本参加など、エンタテイメント分野への展開を強化しています。また中国では上海ローソンを買収し、店舗拡大に取り組み2015年までに1500店体制を目指しています。
 ミニストップは海外強化として、ミニストップをFC展開するRCSIへの出資比率を4%から25%に高め、アジアへの出店拡大に取り組んでいます。

2.スーパー業界
 2011年のスーパー業界のM&Aは22件となり、2010年と比べ6件の増加となりました。1985年から2011年までのM&A総件数は540件となり、最近の動きでは規模の拡大や新規事業展開で競争力強化、収益力向上に取り組んでいます。

 イオンはマルナカに出資するなどし、これまで手薄だった地域への進出ができ、また、マルナカグループが長年かけて築き上げたブランド力や調達ノウハウ、売り場づくりを取り入れ、直営店などで活かすことができるようになりました。マルナカはイオンが有しているシステムや経営ノウハウを取り入れ、双方のシナジー効果は大きなものとなっています。

3.今後の課題
 小売業は今後ますますデフレによる価格競争が厳しくなり、人口減少や高齢化問題等への対応力が問われていきます。各社、プライベートブランド商品の拡充やサービスで他社との差別化を図ることはもちろん、高齢者層へのアプローチが重要な鍵となってきます。

   
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