平成23年6月に改正された消費税法には、消費税を納めなくてもよい免税点制度の要件の見直しやいわゆる『95%ルール』の見直しの他、消費税の還付を受けるための申告書(還付申告書)について、明細書の添付が義務付けされました。この義務付けは、平成24年4月1日以後に提出する還付申告書から適用されています。
明細書自体は、改正前においても存在していました。ただし、義務ではなく任意でした。しかし、今回の改正で、この明細書について記載内容を見直すとともに、義務化へと改正がされました。
見直しといっても、ほぼ記載内容の追加です。具体的には、課税売上に係る事項・特殊事情の記載が追加されています。特に、課税売上に係る事項については、次の点を記載しなければなりません。
・取引金額が100万円以上の課税売上を取引先ごと上位10番目まで記載
・上記とは別に輸出取引に関して取引の上位10番目まで記載
・輸出取引に利用している主な金融機関口座及び通関業者名の記載
このような面倒な記載が増えた原因について、財務省HPに掲載されている解説には“還付申告書は税務署に毎年16万件程度(平成21年度)ある”とした上で、次のように記載がされています。
「近年、消費税の仕組みを悪用した多額の不正還付の事例が発生するなど、不正に対する対応が求められていたこと等から、23年度改正においては、上記の不正還付未遂罪の創設とあわせ、還付申告書の添付書類を見直すこととされました。」
この不正還付未遂罪とは、消費税の不正還付の未遂を罰することを目的に創設されたものであり、この未遂犯の対象は、仕入税額控除等による控除不足額(課税標準額に対する消費税額よりも仕入控除税額等の控除額が上回ることにより控除してなお不足額がある場合の当該不足額)の記載のある申告書を提出した者に係るものに限られています。
そのためこの書類は、申告書上のG控除不足還付税額がある場合のみ添付が義務付けられています。つまり、還付であっても中間納付の還付を受ける場合には、この書類の添付は必要ありません。(もちろん、不正還付未遂罪の適用対象にもなりません。)
なお、この書類は国税庁HP上からもダウンロードできる他、同HPでは記載例もあります。実務上の参考になさってください。
参考:
財務省HP「平成23年度税制改正の解説」
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2011/explanation/index.html
国税庁HP:
「消費税の還付申告に関する明細書(法人用)」(平成24年4月1日以後提出用)(PDFファイル)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/shinkoku/itiran/pdf/04.pdf
「記載例(PDFファイル)」
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/shinkoku/itiran/pdf/06.pdf