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今回は資金の滞留場所(自社の体質)の把握の仕方についてまとめていきます。
「お金の回る仕組み」を考えよう! 第5回
税理士 大宮裕一
ロレックスの時計をしてカップラーメンで食事を済ませる様な消費者が増えています。これは日本経済のひずみなのでしょうか、それとも消費社会の進化した姿なのでしょうか。
「お金が回る仕組み」で最も重要なのが「滞留時間」です。売掛金や商品そして固定資産など企業の中にはお金の滞留場所が多く存在します。
お金の滞留場所は、企業の業種・業態・規模等によって異なります。また、経営者の考え方によっても大きく変わってきます。
そこで今回は、自社の2期分の決算書からお金の滞留場所と体質を把握しましょう。
(1)貸借対照表及び損益計算書からお金の滞留場所を把握します。
@売上債権(売掛金・工事未収入金・受取手形等)
当期末の残高が滞留金額であり、前期末の残高を差し引いた金額が1年間に滞留したお金ということになります。マイナスの場合には逆に現金回収が進んでいることになります。
なお、1年以上未回収の不良債権は通常の債権と分けて把握して下さい。
A棚卸資産(商品・製品・仕掛品・原材料等)
当期末の残高が滞留金額であり、前期末の残高を差し引いた金額が1年間に滞留したお金ということになります。マイナスの場合には逆に現金回収が進んでいることになります。
なお、1年以上の長停品や陳腐化した不良在庫は通常の在庫と分けて把握して下さい。
B固定資産(建物・機械・車輌・備品等)
当期末の残高が滞留金額であり、前期末の残高を差し引き、固定資産の売却損や除却損を加え、売却益を差し引いた金額、つまり新規の設備投資から減価償却費を引いた分だけ1年間にお金が滞留したと考えます。
Cその他の資産
立替金や貸付金、有価証券や積立保険料等については、@と同様に把握します。
(2)回収期間から体質と傾向を把握します。
@売上債権(売掛金・工事未収入金・受取手形等)
売上債権の平均月末残高÷年間売上高×365日=売上債権回収日数
この日数が売上代金の平均回収日数という事になります。30日を越えている場合には、売上げが増えるほど、売掛金等の残高が増えお金の滞留が増える体質にあります。
A棚卸資産(商品・製品・仕掛品・原材料等)
棚卸資産の平均月末残高÷年間売上高÷原価率×365日=棚卸資産回収日数
この日数が商品の平均在庫日数という事になります。30日を越えている場合には、売上げが増えるほど商品等の在庫が増えお金の滞留が増える体質にあります。
(3)資産と負債のバランスから体質を把握します
@売上債権と仕入債務(買掛金・工事未払金・支払手形等)のバランス
売上債権の回収期間≦仕入債務の支払期間(注)であれば問題ありません。
売上債権の回収期間>仕入債務の支払期間の場合にはバランスが崩れており、売上げが増えるほど、売掛金等の残高と買掛金等の残高に差額が生じ、お金の滞留が増える体質にあります。
(注)仕入債務支払期間(日数)=仕入債務の平均月末残高÷年間仕入高×365日
前回と今回で自社の体質と傾向をしっかりと把握できたはずです。滞留時間の短縮及び回収と支払のバランスをしっかりと考え、計画的な事業の拡大を図って下さい。
次回からは資金繰りの改善方法などについてまとめて行きます。
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